ティーンタイタンズの第一シーズンのエピソード「Tカーを取り戻せ!」
この話自体はピックアップするほど出来が良いわけではない。
いや、むしろ全体的に作画・動画のレベルが落ちている。正直、動きなど今までのティーンタイタンズを見ているとこの話だけ「あらら??」という感じ。
まさか、そういう作画の乱れなんてとこまで「日本アニメ風」という風に狙っているのだろうか!
作画の乱れやらでなんか雰囲気が違うというのは、カートゥーンでは珍しいので、逆にそのへんに注目すると、話の出来とは別の意味で楽しめる。
まず、タイタンズのキャラがヘンだ。

なんか雰囲気がえらく違う。
ロビンが妙にハイテンションだ。セリフの調子を無視して絵だけが異常に舞い上がってる。

「てぃ〜〜んたいたんず ごぉ〜!! うっしっし。」
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アヒャヒャヒャヒャ |
いひひひひひひ |
いてもうたろか〜 |
「レッド・エックス(Masks)」の回でスターファイヤーになじられて、おかしくなったかロビン。
さわやかでないばかりか、どっか笑いがイヤラシイ。

「いやーー!こんなのロビンじゃなーい!」
そういうスターファイヤーも妙に険しい顔してる。「ごっつあんでーす!」
再登場したギズモもどっかヘンだ。
Car Troubleのギズモ |
初登場時のギズモ |
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「こんぺいで〜す」 |
「なんだバカヤロ」 |
おまえ、ホントは30歳だろ!!!
サイボーグはそれほど違和感はないものの、妙なギャグが。
「だろ〜、特にサスペンションには・・じゃねーって!」
ひとりノリツッコミをするサイボーグ。
つっこみがほとんど無いカートゥーンにしては珍しい。英語で聞くと「デ・デ・デ・・・」と言いあぐねてどもってる表現だったが、これがアチラ流のツッコミなのか?
そしてレイブンもまた雰囲気が違う。

いつもより、ちょっと大人っぽい絵になる時がある。
Car Troubleのレイブン |
いつものレイブン |
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輪郭に注目していただきたい。スターもそうだが、TTの女性キャラの顔は卵のようにツルっとしている。
しかし、今回のレイブンは目のところで一旦くぼみ、ほおのところでふっくらと曲線を描く。ANIMEでは別に普通だが、TTの今までの作品からは見られなかったライン。
まあ、今回のレイブンは全体的にシャープな感じでカッコよかったけどね。
最後に注目すべきは、やはりクライマックスのカーチェイスシーン。
これを見る前に、映画「ルパン三世 カリオストロの城」を思い出しておいていただきたい。
では、いくよ〜。
スタッフは「カリオストロの城」のファンでもあったんですねぇ。
と、いうわけで、カーチェイスシーンのモトネタは「カリオストロの城」でした。
そもそも、ティーンタイタンズという作品は「日本のアニメのスタイルをとりいれた」と言う風に言われ、崩れた時の顔だとか、漫符やらを引用しているわけで、これもまたその一環であると考えるのが筋だろう。動きの引用とでもいうべきか。隠れたラブコールみたいなものだ。
今回のモトネタの「カリオストロの城」も実はいろんなところから、ごにょごにょ※してるわけで、いろいろなところから刺激をうけて再構成されてゆくと、新しい表現が生まれる。
今はANIME風と言われるティーンタイタンズだが、いずれは日本風でもない、かといって従来のカートゥーンでもないといった新しいものができあがってくるのだと思う。
※ポール・グリモー「やぶにらみの暴君(王と鳥)」を見てみるとおもしろい。
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