TeenTitans-Car Trouble

ティーンタイタンズ「Tカーを取り戻せ!(Car Trouble)」を25.6%くらい楽しく見てみよう。

ティーンタイタンズの第一シーズンのエピソード「Tカーを取り戻せ!」

この話自体はピックアップするほど出来が良いわけではない。
いや、むしろ全体的に作画・動画のレベルが落ちている。正直、動きなど今までのティーンタイタンズを見ているとこの話だけ「あらら??」という感じ。

まさか、そういう作画の乱れなんてとこまで「日本アニメ風」という風に狙っているのだろうか!
作画の乱れやらでなんか雰囲気が違うというのは、カートゥーンでは珍しいので、逆にそのへんに注目すると、話の出来とは別の意味で楽しめる。

まず、タイタンズのキャラがヘンだ。


なんか雰囲気がえらく違う。

ロビンが妙にハイテンションだ。セリフの調子を無視して絵だけが異常に舞い上がってる。


「てぃ〜〜んたいたんず ごぉ〜!! うっしっし。」

アヒャヒャヒャヒャ いひひひひひひ いてもうたろか〜

「レッド・エックス(Masks)」の回でスターファイヤーになじられて、おかしくなったかロビン。
さわやかでないばかりか、どっか笑いがイヤラシイ。


「いやーー!こんなのロビンじゃなーい!」

そういうスターファイヤーも妙に険しい顔してる。「ごっつあんでーす!」

再登場したギズモもどっかヘンだ。

Car Troubleのギズモ 初登場時のギズモ
「こんぺいで〜す」 「なんだバカヤロ」

おまえ、ホントは30歳だろ!!!


サイボーグはそれほど違和感はないものの、妙なギャグが。

「だろ〜、特にサスペンションには・・じゃねーって!
ひとりノリツッコミをするサイボーグ。
つっこみがほとんど無いカートゥーンにしては珍しい。英語で聞くと「デ・デ・デ・・・」と言いあぐねてどもってる表現だったが、これがアチラ流のツッコミなのか?

そしてレイブンもまた雰囲気が違う。

いつもより、ちょっと大人っぽい絵になる時がある。

Car Troubleのレイブン いつものレイブン

輪郭に注目していただきたい。スターもそうだが、TTの女性キャラの顔は卵のようにツルっとしている。
しかし、今回のレイブンは目のところで一旦くぼみ、ほおのところでふっくらと曲線を描く。ANIMEでは別に普通だが、TTの今までの作品からは見られなかったライン。
まあ、今回のレイブンは全体的にシャープな感じでカッコよかったけどね。

 

最後に注目すべきは、やはりクライマックスのカーチェイスシーン。
これを見る前に、映画「ルパン三世 カリオストロの城」を思い出しておいていただきたい。

では、いくよ〜。

Car Trouble カリオストロの城  

さあ、追いかけるぞー

左ハンドルの場合、
画面左に進むと、ちゃんとメインのキャラが視聴者に見える構図になる
おっと、よけろよけろ。
片輪走行
撃たれたっ!
当たった!もくもく
でも大丈夫。
こうなったら、絶壁を走るぞ!
ぐおおおおん
そのまま昇っていって・・
一回はずんで・・・
見事着地成功。

スタッフは「カリオストロの城」のファンでもあったんですねぇ。
と、いうわけで、カーチェイスシーンのモトネタは「カリオストロの城」でした。

そもそも、ティーンタイタンズという作品は「日本のアニメのスタイルをとりいれた」と言う風に言われ、崩れた時の顔だとか、漫符やらを引用しているわけで、これもまたその一環であると考えるのが筋だろう。動きの引用とでもいうべきか。隠れたラブコールみたいなものだ。

今回のモトネタの「カリオストロの城」も実はいろんなところから、ごにょごにょしてるわけで、いろいろなところから刺激をうけて再構成されてゆくと、新しい表現が生まれる。
今はANIME風と言われるティーンタイタンズだが、いずれは日本風でもない、かといって従来のカートゥーンでもないといった新しいものができあがってくるのだと思う。


※ポール・グリモー「やぶにらみの暴君(王と鳥)」を見てみるとおもしろい。

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