パワーパフ ガールズのリ・スタイルで行こう!

cover
2002 (全32P/マンガ部分11P)
stuff
コミック制作 CartoonNetwork
監修 環境省廃棄物・リサイクル対策部企画課循環型社会促進部
企画・発行 財団法人 日本環境協会
指導 崎田裕子
デザイン 有限会社 イクス
編集協力 ワーナーブラザース コンシュマープロダクツ
株式会社ジェパン・エンターテイメント・ネットワーク
size A4 price 180円

なにがあった、環境省 !?
ちまたでちょっとばかし話題になった、リサイクル推進のため、全国の小・中学校に配布されたという政府公認のパワパフマンガ・パンフレット。
環境教育教材「パワーパフガールズと挑戦しよう!ごみゼロ大作戦−リ・スタイルでいこう!−」の中に11PほどのPpGマンガが。シールも付いてる。


story

ここはタウンズビル。そしてガールズたちの家。
(注:原文ママ なんかそっけない始まりだが、それよりガールズがすでに複数形なのに「たち」と続くのはおかしくないか?ユートニウムも含めてるのかな。)

お菓子とか食べてゴミをいっぱいだしているガールズ。
そんなおり、いつものように市長からホットラインが。
「大変だ! 街がごみであふれておるんだ。助けてくれー。」
タウンズビルはゴミ捨て場がいっぱいで、もうこれ以上ゴミを捨てられなくなったとのこと。
バターカップ「またゴミ捨て場をつくればいいじゃん」
ミス・ベラム「タウンズビルにはもう適当な場所がないのよ」

そこで市内をパトロールするガールズ。ほんとに街はゴミでいっぱいだった!
清掃工場では、工場長が「たくさんゴミが出て処理がおいつかないんだよ」

どうしようもなく、しょんぼりして家に戻るガールズ。
プロフェッサー「悪人はもうやっつけちゃったのかい?」
「だれが悪者かわからないの」「私たちも悪者なのかも」
そこで、リサイクルというものを教えるプロフェッサー。そして、実践もかねてスーパーマーケットへ。

そこにはプリンセスが!
「別にそんなに欲しくもないけど、面倒くさいからスーパーごと買っちゃおうかな」
ブロッサム「ちょっと、そんなに買ってどうする気?」
プリンセス 「ばっかじゃない。いらなくなったら捨てちゃえばいいでしょ」

そこでガールズはプリンセスを反面教師としてヒラメイタ!
「そうか!いらないものまで買うからいけないんだ」「バック持参ならレジの袋もいらないわ」

そんなガールズを見てほほえむプロフェッサー。
「悪者のやっつけ方はみつかったかい」

ブロッサム「捨てない、リデュース
バブルス「繰り返して使う、リユース
バターカップ「ゴミを分別して、リサイクル

今日も街は救われた。ありがとうパワーパフガールズ。みんなも「リ・スタイル」にチャレンジしてね。

impression

んーとまあ、この発行物はこの内容を広く伝えるのが趣旨だろうから、遠慮無くストーリーはすべて紹介してみました。

なんで、パワパフ?って思ってたんだけど、

このタイトル見てなんとなく納得。リサイクルマークなっているガールズ。ようするに「リデュース」「リユース」「リサイクル」の「3R」がテーマであるため、3人娘が選ばれたってことなんだと思う。
でも三人組ってことならなんか他にもあったんじゃないだろうか?
例えば、えーと・・・・スーパースリーとか。
すんません、最近のやつってよく知らないので(あとは三人娘と聞いてチャーリーズエンジェルを思い出した)なんかいい例えが浮かびませんでした。なんにしても、小学校低学年も対象になっているので、よくよく考えれば妥当なチョイスだっのかもしれませんね。
まあ、全国の小・中学校ってことで、これでパワパフの認知度は大幅UPは間違いないないことは確か。よくやった環境省。

一応教材ってことになっているので、本そのものは学習ノートって感じになってます。
本ページ28P+冊子表紙部分4Pの構成で、うち、パワパフの紹介ページが1P、マンガ部分11P。

教材部分は書き込み式ノート風になっていて、通常ゴミと資源ゴミを分別して重さはかって記録したり、ゴミを少なくする自由研究レポートとか。「いいゴミダイエット作戦ができたら日本環境協会まで報告してね」とか書いてたりする。マンガのほうはわりとあっさりしてるんだけど、こっちはかなりみっちり詰まっていてかなり細かい。

教材部分といっても、ガールズのカットがこれでもか、とばかりにちりばめられていて、華やかです。でも、どっかで見たようなカットばかり、まあそれはしょうがないか。

シールですクリックで拡大ちょっとうれしいのは、シールがついていること。
これは本来、教材の部分の設問や課題が「できた」らそこに貼って使うものらしいんだけど、そんなことに使いたくない子もいるんじゃないかな〜。

ただ、上記のように「確認シール」として使用することを前提としているので、シールとしてはちょっと納得いかない部分も。

それというのも、このように丸枠に収めなければいけないため、こんなふうに。→
赤線がキリトリ枠。
うむむむむむ・・・・

 

さて、 ではいよいよマンガ部分へ進もう。

日本環境協会の趣旨には賛同するし、パワパフを広めた貢献度に対しては評価できる。ただし、うちのサイトはPpGコミック・サイトなので、ここでは純粋にマンガとして読んでみたい。

タイトルは「パワーパフ ガールズのリ・スタイルで行こう!」
執筆は「CartoonNetwork」ってことになってる。いったいダレが描いたのかとても気になっていたところだが、結局わからずじまい。つうか、これって描いたといえるのだろうか?
というのも、漫画家さんが描いたものでなく、どうもデザイナー(CartoonNetworkのデザイン室か?)さんが作ったような気がしてならない。パソコンで素材を切り張りして構成した感じだし、漫画的表現がどうにも稚拙だ。

その根拠としては、ガールズが小さいサイズの場合、線が細く、逆にアップになると線が異様に太い。セリフの量とフキダシの大きさがアンバランスなうえ、構図にちょっと違和感がある箇所が多い。

などだが、百聞は一見に如かず。ちょっと見てもらおう。

見ての通り、サイズによって線の太さが違う。
四番目のコマの構図ってちょっと「いかがなものか」って気がしませんかね。(バブルスとバタカの後ろ頭がぼそっと入ってるのってのは・・どうも)
また、セリフとフキダシのサイズがマッチしていない。
セリフといえば、市長のセリフもちょっと不満だ。市長ななら
「ガールズ、大変じゃ〜!街がごみであるれちょるんじゃ〜、助けてちょ〜〜〜!」だろ、やっぱ。

また、

こうして拡大してみると、書き足して描いたと思われるホットライン受話器、なんか雑だ。

もっとつっこもうと思っていたが、何回か読みなおしているうちにそれほど違和感が無くなってしまった。マンガとは不思議なものだ。これはこれでまあいいか、みたいな。
一コマ一コマはキレイなんだが、マンガという「平置された連続的視覚芸術」としては、いまひとつといったところ。ちまたには十分パワパフをマンガとして描ける人はたくさんいるというのに・・・もったいない。

ただし、このマンガ、アメコミと同じ左から読むようになっていることは、私としては評価しとく。

ストーリーはある意味パワパフらしくない、といえばらしくないが、さすがにアニメのノリでやってしまうとこの冊子自体の主旨と大きく逸脱しそうなんで、良しとする。
各自でこれがアニメだったら(´Д`).。o○ と想像してみるとオモシロイかも。
(市長がゴミ禁止令をだして、パワパフがちょっとゴミを捨てただけの市民らをボコりまくるとか)

そんなわけで、こっからはちょっとしたネタ編。

ゴミを捨てようとするブロッサム。

そのゴミに気になるモノが・・・
あれはモジョのヘルメット!
しかも 破壊された跡が。
まさか、奪ったのかブロッサム?

いやまてよ、なんか小さくないか?
もしかして、これはモジョ人形か。おもちゃって言ってるしな。
普段はガールズはソレで遊んでるのか?
「モジョってかわいい〜」とか言って。
それとも、 バトル練習用のダミー人形?

それよりギターだ!
もしや、お宝グッズのパワパフエレキギターでは!
だめだ!ブロッサム捨てちゃだめだぁ〜、オレにくれ!

いやいやそんなことより、その右隅にあるソレはなんだ?

これは・・・・


バブ〜ルス!!!
君はいったいそんなとこで、なにしてんの!?
えらい小さいんですが、もしかして人形?パワパフも自分たちの人形を持ってるってことかい。
でも捨てるのかよ! Σ(゚Д゚;)
なんかラスティ ラスカルさんとこのPpGマンガ「買ってもらったおもちゃ」を思い出してしまいました。

あとは珍しいカット。

バタカ・・・・斜め後ろからのカットってのは珍しいな。一瞬ダレかと思ったよ。
ブロッサム「ちょっとバブルス、髪がじゃま!」とか言ってそうだし。

この本を入手するには

ところで、これは全国の小・中学校に配られるので、現役小中学生は見る機会はあると思うが、もはやそんなところとは無縁となった「大きなお友達」はどうすればいいのか?

これは、財団法人 日本環境協会が実費で配布しているので、そこに注文すれば入手できる。
「 環境資料・教材の作成配布」の項には見あたらないが(2002/9現在)
注文お支払いを良く読んで、 注文書籍名を
『環境教育教材「パワーパフガールズと挑戦しよう!ごみゼロ大作戦−リ・スタイルでいこう!−」』
にして注文すれば、3〜5日くらいで届く。
支払いは後払いで、冊子180円、送料180円、合計360円(一冊注文の場合)。
念のため一冊なら一冊と、必要冊数もちゃんと書いておこう。

その後、こちらでも購入受付の窓口が。
こどもエコクラブ まあ、同じなんですけどね。


参考リンク:
財団法人 日本環境協会

Re-Styleパワパフ紹介記事1関連記事2特集ページ
なお、 特集ページではこのコミックが公開されており、全部読むことが出来る。

補足と追記

  1. この冊子、全国の小・中学校に・・・と書いたが、「うちではみかけない」といった小中学生の発言をみかける。全国に配られるのではなく、「全国の小・中学校に配りたい・配る予定である」ということかもしれない。
    むしろ、自分の学校になかったら先生にでも「こういうのがあるんですよ、うちの学校にもぜひ!」とか、かけあってみてくれたまえ。生徒会とか環境委員とかやってる人なんかいいかも。

  2. レビューのところで、ブロッサムがゴミを捨てるシーンがあるんですが、お宝ギターうんぬんってのはネタです。本当は「色がなくなっちゃった」でパワパフがバンド組んだときのギターでしょうね。ブロッサム、ヘビーな使い方してたものなあ。
    ちなみに、ネタにしたギターというのはこれのこと→CN shop またはDaisy rock

  3. さらに同じシーンの隅に謎のチビバブルスがいるのだが、これは「ブロッサムが宙に浮いていて、その下の方にバブルスが見える」というシーンではないかという指摘をいただいたが、慧眼である。
    どうにもコマの構図や表現がよくないせいで勘違いをしていたようだ。なるほど、これならバブルスが小さく、かつ頭が見えるのもわかる。ブロッサムの隣にあるのは照明かもしれない。よく見れば、かすかに左足が浮いているし(これは空飛ぶときのいつものポーズ)。
    そして、実はこのコマの次に来るのが、上で引用してある「ホットラインが鳴りブロッサムがとる」のコマなのだ。このコマをよく見てみると、ホットラインを取るために、ブロッサムが上から降りてきているのがわかる。
    すばらしい! つうか、気がつけよオレ。もしかしてそういう風に読みとれなかったのはオレだけでしょうか?ドキドキ。(情報提供:KOHさん)

 

環境省とPpG (2003/8/16追記)

それにしても、環境省とPpGとは意外な組み合わせでしたね。

「そんなことはないっ!!」

あなたは超秘密探偵スカポン!!

「三人娘だから『3R』にぴったりだとか、これで小学生も興味もってくれるからだとか、そんなヌルい理由だと本当に思っているんじゃないだろうね。違う!これはなるべくしてなった当然の起用さ」

いやー、でもそれくらいしかないでしょ、接点なんかそれほどないんだから

君らはまだわからないのか。環境省という恐ろしい組織の秘密が。
なぜ、外務省や経済産業省ではなく、環境省なのか考えたことはあるかい。むしろ教育科学技術省でもよかったんじゃないか、そうは思ったりはしないのかい。」

え、と言いますと・・・

「そう、これは環境省だからこそ『やるべきしてやった』結果なんだ。
環境省というカタイ名前に騙されてはいけない。彼らの本当の目的はパワパフを代表とするキュートなキャラたちの普及と洗脳を目的とした、恐るべき組織なのだよ。」

そんな馬鹿な・・・

「いいや、間違いない。その証拠に、環境省の名前にその野望の一端がちゃーんと明示されてるじゃないか」

環境・・・? カン・キョー・・・? カン? うーんわかりません。

「まあわからないのもムリはないかな。この超秘密探偵だからこそ、わかった事実さ。
いいかい、環境省を英語で書くとどう書くか知ってるかい?
Ministry of the Environment さ。長いね。
この手のものはたいがいNGOとかNATOとか頭文字をとって略語にするものだ。すると環境省は・・・

MOE すなわち『萌え』だ!!!!!」

な、なんと・・・

「ふふふ、まあ、こいつらはそうそう表には出てこないからね。今回も下部組織の日本環境協会にやらせてるようだが、これからだよ。『環境』がどうこうって話になると、何故か萌系のキャラたちがいろいろ採用されてゆくはずさ。ははははっ、ではサラバだっ。」

ありがとう超秘密探偵〜。


参考リンク>環境省
環境省の略語がMOEなのは本当。実際にRe-Styleのサイトを見てもらえばわかが、下のほうに「moe info」とある。「more info」ではなく「moe info」。「環境省情報」という意味だが・・・。

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