SAMURAI JACK SPECIAL |
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コミックレビュー番外編
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「人呼んで、ジャックと申す」「・・・・・ユートニウムではない」 |
簡単な紹介 パワパフファンならいまさら紹介するまでもないとおもうけど、パワパフしか目に入ってないってな人もいるだろうから、簡単に紹介。 「サムライジャック」とは「デクスターズ・ラボ」や「パワーパフガールズ」を手掛けたゲンディ・タルタコフスキーが、特にデクスターの成功によって「キミの好きなモン作っていいよ」って言われて「オレはこれが創りたかったんじゃ〜」とばかりに創った作品。デクスターとか見てもわかるようにタルタコフスキーさんは日本好き。しかも黒沢や岡本喜八(イイ趣味してます)が大好きでああいうのに憧れていたそうなんですよ。 でもって、サムライが主人公なんですが、物語の舞台は未来世界なので、東洋系というよりは無国籍的・多国籍的バトルファンタジーといった感じです。 ヒーロー系なんだろうけど、ありがちなマッチョではなく「寡黙」で「なで肩」ってのも珍しいかな。前半はアクションがちょっとテンポ悪くスピーディーさがないかな?と思っていたんですが、回を増すごとに良くなってきて、後半はタレることなく楽しめます。 現在CARTOON NETWORKで放映中 サムライジャック ザ コミック さて、アニメの話はこのくらいにしてコミックの話。 このコミックはパワパフと同じDCからCARTOON NETWORKのコミカライズとして刊行されたもの。ただし、まだシリーズ化はされておらず、単発のコミックとなっている。 魔王「アクゥ」がとある国(日本のような国(笑))で復活し、かつてアクゥを封印した家系である大名家は防戦するが敗退。息子のジャックをかろうじて逃がして、滅亡する。少年は世界を放浪し、各地の武術をマスターし、アクゥを倒す力をもった刀を手に、立派なサムライとして成長して帰ってくる。 「嘆きの将軍」アクゥと戦い、後少しで勝利というところでアクゥマジックにより未来世界にとばされてしまう。未来はアクゥに支配された世界だった。 未来世界で初めて会ったヒップホップな若者らに「hey,jack(よー、にいちゃんよー)」と呼びかけられたことをきっかけに、サムライはこの世界では「ジャック」と名乗ることとした。(本名不明) 右も左もわからぬ状態のジャックは、とりあえず近場のディスコ(酒場かな?)に入る。そこでチンピラに絡まれ、大乱闘。それを見ていた犬型人種の「ロシー」ら三人に用心棒として雇われ、彼らがアクゥに迫害されている採掘場におもむく。しかし、スパイの報告によりジャック復活を知ったアクゥは、ジャック討伐に虫型ロボ軍団を差し向けたのだった。 たった一人でアクゥの軍団と対峙するジャック。壮絶な戦いがいま始まる。
とまあ、これがエピソード1〜3にあたるわけです。 ジャック、やっぱり間違った日本観で描かれてるんですが(特に建物関係)、精神はキッチリ「武士道」。そこがポイント。実はコミックはアニメ以上に日本的というかモノスゴイことになってるんですよ、あーた。 内容がアニメ三話分なんで(パワパフの映画版並)ページも55ページとこの手のリーフとしてはけっこうな分量となっていて読み応えがある。(まあ、値段も$3.95とそれなりですが) ペンシラーは二人が描いていて、Lynn NaylorとBill Wray。このうちBill Wrayはインカーもかねているので、おそらく前半部をペンシラーLynn
Naylo、インカーMike Manleyが描き、後半部をBill Wrayさん一人で描いたんじゃないかと思う。 アニメでは日本的といいながら、その映像表現はあのパワパフのようなカートゥーンの絵柄で表現してるわけですよ、でもコミックは前半部はアニメ的なタッチを生かしているんですが、後半部は別の意味での日本的表現に挑戦しとるんですわ、これが。 漫画的というより劇画的!! いわゆるジャパニメーション的アニメ絵のアメコミはマンガスタイルって言われて意外に多いんですが、それとは違うこんなタッチのアメコミは(私の数少ないアメコミ知識の中では)初めて。 また、ところどころにスクリーントーンが使われていて、コミック自体はフルカラーなもののこの作者(ペンシラー)さんが白黒での完成形を目指していたのがよくわかる。個人的には後半部はむしろ白黒のほうがよかったのではないかと思うよ。
論より証拠。この表現が極まったクライマックスのシーンを見よ。
<もうこんなんですよ。どーするよ。 アニメ版とは違った迫力で楽しませてくれる、コミック版「サムライジャック」オススメ。 おまけ: |